2005年05月05日

[コミック]『自殺サークル』

冒頭からショッキングな作品。
何しろ女子高生が駅のホームに手を繋いで一列に並んで
「せーの、
 いっせーの、
 いっせーの、
 いっせーの、せっ!」
で集団飛び込み自殺をしちゃうんですから。

リスカが止められない、心の溝が埋められない
女子学生たちが信奉する『光子さん』。
光子さんが「みんなで死にましょう」と言えば
信奉者の彼女たちは何の抵抗もなしに自殺してしまうのです。
そして電車飛び込みで唯一死ねなかった甲田小夜は……


とにかくかなり衝撃的な内容で、一気に読んでしまいました。
自傷でしか心の安定を図れない彼女たち。
それを微笑んで「私の可愛い子たち」と受け入れる光子。
苦しいところに現れた彼女はまさに救世主なのでしょう。

小夜の不安定な心、「あああ…」と呻きながら
自らの手首を切り、売春をして自分を傷つけないと
辛くて生きていけない小夜…
幼馴染みの京子は彼女の異変に気付いていて
何度もそういう行為をやめるよう小夜に説得をしますが
精神的健常者である彼女には小夜の深い悩みを背負い切れず。

『光子さん』は伝染します。
前の『光子さん』が死んでも、また誰かが
新たな『光子さん』になるんです。
「光子は伝染する…!?」
京子が恐れたこと。
それは事実なんです。
『光子さん』を中心にした『自殺サークル』は
リーダーもメンバーも入れ代わりながら、
それでもずっと続いていくのです。

なんていうか、痛々しくて読んでいて苦しくなります。
当然ハッピーエンドにはなりませんし。

正直、これは中高生には読ませたくないな、と思いました。
奥にある深い悩みよりもショッキングな集団自殺に
興味を持ってしまいそうで…生徒には絶対読ませたくない。
個人的にはこういう怖いのは大好きなんですが(;・ω・)

小夜が京子に問い掛ける場面がツボりました。
「私と親の関係はわかる
 私と京子の関係もわかる じゃあ私と私の関係は?
 私は私に関係あるの?
 光子さんが私の代わりになってくれていたから
 私は私との関係が持てたの
 でももう私は私と関係のない私だから
 私なんてどうなってもいいの」
「わからないのはあなた(京子)があなたを失っていないから…
 いいわね…
 あなたがあなたの関係者でいられて」
私自身が『自分自身は何のため、誰のために生きてるの?』と
常々考えているので、活字でこういうものを見ると
思わずどきっとしてしまいます。
私、私のために生きてないから。
自分と自分の関係が分からない。
ぐさりぐさり。

絡められたネットが明らかに2ちゃんがモデルで
さらに入り込みやすく感じたのかもしれません。
とにかく、凄い。というか凄まじい。
そんな作品でした。


実はこの作品はもともと映画があって、
それを漫画化したものらしいです。
といっても『自殺サークル』という名前だけが同じで、
ストーリーは漫画はほぼ筆者のオリジナルらしいですが。
映画版より漫画版の方が評判はいいみたいですが、
いつか映画のほうも観てみたいです。
posted by こむぎ子 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | *review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月04日

[映画]『セブン』

高校時代にも一度観たはずなのに話を全然覚えてなくて
再度レンタルで観ました。(ビデオだけど)

キリスト教における7つの大罪に基づいて
“大食”=巨漢デブ
“強欲”=悪徳(?)弁護士
といった具合に、次々に
“怠惰”“色欲”“高慢”と犯人に認定された“罪人”たちが
“その罪に沿った形で”殺されていく連続殺人事件。
退職間近のベテラン刑事と異動してきたばかりの
熱血若手刑事がそれを追いかけるというお話。

7つの罪の残りは“憤怒”と“嫉妬”なのですが……

うわーうわー。
めちゃめちゃ後味が悪くてテンション上がります(ぇー
私はサスペンスの先を予想しないで観る派なので
いい具合にびっくりさせられてしまいました。
特に私は残り2つになった時点で“憤怒”を忘れてしまい
「あと一個なんだっけ…?(;・ω・)」と思っていたので
あのラストの場面にはぐわわわってなりました。
こういうの大好き〜(*´Д`)

ちゃんと罪と罰の内容がマッチしているところとか。
犯人のあの淡々とした、それでいて楽しそうなカンジとか。
己の“憤怒”に葛藤する“憤怒の罪人”(とあえて書いとく)とか。
全体に漂うイヤ〜な雰囲気とか。
タマリマセン。
posted by こむぎ子 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | *review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[書籍]アダルト・チャイルドが自分と向きあう本

とりあえず一発目はまともな(?)レビューから。

アダルト・チャイルドが自分と向きあう本
1997
アスク・ヒューマン・ケア
アスク・ヒューマン・ケア研修相談室


現在私がカウンセリングのテキストとして使用している本です。
アダルト・チャイルドはアダルト・チルドレンとも言われ、
こういう↓傾向を持つ人々のことです。
http://tokyo.cool.ne.jp/jaca2001/mondai.html
これらは主に幼少期の環境で培われてしまう性質で、
いわゆるココロの病気ではありません。
脱却するには「自分を許して、解放してあげること」が必要、らしいです。
で、バリバリACな私はこの本を使って少しずつ練習しているわけで。

二冊構成の一冊目で、この後には
「アダルト・チャイルドが人生を変えていく本」
という本が出されています。

アダルト・チルドレンと呼ばれる
“生きにくさ”を感じる人が子供のころを振り返り、
その時につらかった自分を見つめ、その“子”を
自分自身の手で癒していこうというのがこの本のテーマ。
「ワーク」という自分の体験を書き出すパートもあり、
私はカウンセリングの場で先生と一緒に進めてます。


ACで苦しんでいる人にも、
ACについて知りたい人にも、
とってもお薦めです。
posted by こむぎ子 at 13:13| Comment(0) | TrackBack(0) | *review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

感想文コーナー。

mixiのほうのレビューにいろいろ
本やら映画やらの感想を書いているので
こっちにも何となく転載してみようと思います。
posted by こむぎ子 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | *review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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